産地だより 2022年2月

愛彩ファーム九重

2022年2月
大分県玖珠郡九重町 愛彩ファーム九重(黄色パプリカ)
Growingリーダー 熊谷 あずささん

今回の産地だよりは、大分県玖珠郡九重町で温泉パプリカを栽培している熊谷さんをレポートします。

愛彩ファーム九重の設立とパプリカ栽培を始めたきっかけ

熊谷さんに愛彩ファーム九重が設立した当時の話をお伺いしました。今から10年以上も前の話になりますが、農家さんから「農業は天候に左右され、野菜価格の下落もあり、難しい産業」だということを聞き、企業として農業という産業をどうにかしなければと思ったことがきっかけで愛彩ファーム九重を設立することにしたとのことです。栽培品目にパプリカを選んだ理由は、個人生産者の圧力とならないよう地元、大分県で栽培していない品目を選び、また、食生活・健康に貢献できる野菜を考えて決めたそうです。ヨーロッパでは「パプリカ=ビタミンの王様」と代名詞が付くほど、栄養バランスが優れた野菜とのこと。企業として農業を盛り上げ、人の健康に役立ちたいという想いが伝わり感動しました。
続いて、熊谷さんに愛彩ファーム九重の特徴と目指していることについて、お伺いしました。

ハウス内の様子

ハウス内の様子

収穫前のパプリカ

収穫前のパプリカ

愛彩ファーム九重の特徴とは?

愛彩ファーム九重は、大分県九重町の標高700Mに位置する全面ガラスのハウスです。真夏は平地よりも比較的涼しく、真冬では外気温がマイナス10℃以下になることもあるそうです。パプリカは、他の野菜に比べて要求温度が高く、真冬でもハウス内を25℃に保つ必要があるため、エネルギーコストがかかってしまうとのことですが…。愛彩ファームの最大の特徴がここにありました!
その特徴とは、温泉熱を利用するというもの。化石燃料ボイラーは一切使わないため、CO2の排出がない、環境負荷低減を実現した施設栽培を行っていることでした。近年は、農業のスマート化を図り、収穫物の自動搬送ロボットを導入した省力化や生産および作業管理アプリケーションの開発に取り組み、今後はお客様に産地を見てもらえるよう、見える化販売計画を進めているとのことです。

温泉「熱」を使用してハウス内を加温

温泉「熱」を使用してハウス内を加温

枝葉の手入れ

枝葉の手入れ

目指していることは?

目指していることは、『安心安全で、栄養価の高い、パプリカを追い求めること』でした。熊谷さん曰く、「ファーム内に養液(肥料)レシピの異なる試験区を設置し、果実の定期分析を実施しています。毎年、栄養価の向上が期待できる養液レシピと環境制御の研究をしています。美味しいだけではなく、安心安全で栄養のあるパプリカが皆様の生活に役立つことを願いながら管理しています!」と、食べる人の健康を想いながら、パプリカづくりに努力している姿が伺えました。

熊谷さんからのメッセージ(モスバーガーのお客さまに向けてのメッセージ)

熊谷さんにモスバーガーのお客さまに向けて、ひとこといただきました。
「愛彩ファーム九重の温泉パプリカは、このように生産されているんだね!と一人でも多くの方に認知していただけると嬉しいです。お客様も私たちも共に幸せになれるようなパプリカづくりに取り組んでいますので、今後も応援をよろしくお願いいたします!」
*愛彩ファーム九重のパプリカは、11月中旬から翌年の7月下旬まで、関西・四国・中国・九州地区のモスバーガーの店舗に出荷されます。

愛彩ファーム九重の皆さん

愛彩ファーム九重の皆さん

Text by Akagawa