青森県蓬田村 JA青森トマト部会 東つがる支部 代表生産者 吉田 勉さん

青森県蓬田村 JA青森トマト部会 東つがる支部 代表生産者 吉田 勉さん

青森県蓬田村は青森県の北西部、津軽半島東側の陸奥湾沿岸に位置し、西側には津軽半島の脊梁、中山山脈が走っています。その山脈の麓から流れる4本の川は水量も豊富で、平野部にはその水を農業用水として利用する美しい田んぼが広がっています。この美しい海と山に囲まれたこの地に、「JA青森トマト部会東つがる支部」はあります。

桃太郎トマトの郷、蓬田村

JA青森トマト部会東つがる支部は、「よもぎたトマト」というブランドで、非常に高い評価を受けているモスのトマト産地です。ここ蓬田村のトマトは約20年前に、より味の良いトマトを求めて、全部会員の品種を桃太郎に統一しました。当然、当初収量は落ちてしまいましたが、今では村の名産品の1つになるまでに成長しています。この日も車の窓から桃太郎トマトの看板を横に見ながら、産地に向かいました。

桃太郎トマトの郷に来ました

桃太郎トマトの郷に来ました

トマトハウスが立ち並びます

トマトハウスが立ち並びます

桃太郎トマトへのこだわり

JA青森蓬田支所の選果場に着くと、代表生産者の吉田さんとJA青森蓬田支所の川崎さんが迎えてくれました。選果場にはその日に収穫されたトマトが続々と選果され箱詰めされています。吉田さんは自分の畑で採れたトマト3種類を食味確認用に持って来てくれました。「桃太郎エイト」と「桃太郎ギフト」、あとはまだ試験用で名前がついていない桃太郎の品種です。桃太郎と言えば、1種類のトマトを想像してしまいますが、実際には20種類以上の兄弟(?)がいます。食べながら、吉田さんの品種に対してのこだわりを伺います。
「試験用の品種は味が良いから、あともう少し大きくなりやすければなあ」
現状に満足せず、新しい品種に挑戦する吉田さんの姿勢と桃太郎トマトへのこだわりが伝わります。

選果場の様子

選果場の様子

よもぎたトマトが山積みです

よもぎたトマトが山積みです

環境にやさしい農業に取り組む

吉田さんと川崎さんにさらに「よもぎたトマト」の特徴を伺います。
「よもぎたトマト」の生産者さん達は、桃太郎トマトに取り組むとともに、環境にやさしい農業に取り組む証として、メンバー全員が土づくり、減農薬、減化学肥料に取り組むエコファーマーという資格を取得しています。また土壌診断を毎年実施して、畑の土の状態を確認し、余分な肥料を投入して、環境に悪影響を与えないように取り組んでいるそうです。現在、生産者さんの人数は57名、この人数がまとまって、環境にやさしい農業に取り組むことはそんなに簡単なことではありません。

箱詰めされたよもぎた桃太郎トマト

箱詰めされたよもぎた桃太郎トマト

川崎さん(中央)と品質の確認

川崎さん(中央)と品質の確認

選果場の横に試験圃場

蓬田支所の選果場の横にJAの試験圃場があります。川崎さんに案内されて、そのハウスの視察です。中では様々な種類の桃太郎トマトやミニトマトを栽培していました。確認中ふと気になったのが、このハウスは誰が管理しているのか?ということ・・・。質問すると「僕です・・」と川崎さんが手を挙げました。驚いたことに川崎さんは選果場の管理の傍ら、試験圃場で栽培管理も行っているそうです。
「大変ですけど、やっていると生産者さんのトマトが今どんな状況か、どんなことで困っているかが分かって、同じ目線に立つことができるんです」と川崎さん。
よもぎたトマトが高品質な理由には、こういった川崎さんの意識の高さもあるのだと感じました。

試験圃場の様子

試験圃場の様子

川崎さん、トマトも作っています!

川崎さん、トマトも作っています!

今年のトマトの状況は

選果場を出て、吉田さんの畑を訪れ、状態を確認します。
「今年は梅雨が短くてよかったのですが、その後高温多湿の曇天が続き、樹の状態はあまり良くないんです」と吉田さん、確かに所々病気が出ている葉っぱも見受けられます。
昨年も東北地方のトマトは、異常な猛暑に見舞われて、収量を大幅に減らしました。その状況に比べれば今年は良いですが、なかなかうまく行かない状況に改めて農業の厳しさを認識します。

ハウス内の様子

ハウス内の様子

収穫を待つトマト

収穫を待つトマト

雪のおかげで虫が少ない

ここ蓬田村も11月になるといつ雪が積もってもおかしくないような気候になります。ハウスのビニールをそのままにしておくと、ハウスが潰れてしまうので、ビニールをはがさなくてはいけないのですが、それをすることによっての利点もあるそうです。温暖な所では、ハウスの中で虫が越冬してしまい、その虫が次の作にも影響してしまう場合がありますが、ここでは雪に埋もれてしまうので、虫は越冬出来ず、いなくなってしまうとのこと。北国ならではの思わぬメリットに驚きます。

ハウス前で打ち合わせ

ハウス前で打ち合わせ

樹の状態を確認する吉田さん

樹の状態を確認する吉田さん

グループの結束が安心安全を高める。

グループのメンバーで会議とか会合をしたりしていますか?と伺った時に吉田さんからとてもうれしい言葉が返ってきました。
「よく会合はします。実際に顔を合わせて、不満や困ったことがあった時にすぐに相談し合える関係を作っとかないと、いくら書類を出したって、本当の安心安全は保てないと思っていますから」。
たくさんのメンバーで同じ基準のトマトを守って行くのはかなり難しいことです。よもぎたトマトのブランドはこういう考え方のもと守られて行くのだと思いました。

吉田さんから話を伺います

吉田さんから話を伺います

最後に一言

最後に吉田さんよりモスバーガーのお客さまへ一言頂きました。
「夏でも夜が涼しい蓬田で美味しいトマトを作っています。是非お店で食べて見てください」
蓬田の桃太郎トマトが入ったモスバーガーは6月~10月の間、関東のお店で食べることが出来ます。是非店頭の黒板で吉田さんの名前を探して下さい!!

こだわりの桃太郎トマト食べて見てください!

こだわりの桃太郎トマト食べて見てください!

Text by Yagi